真希波・マリ・イラストリアス「そろそろ可愛い子犬が欲しいにゃん」
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23:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/16(火) 21:26:57.05 ID:kg0DQ1+/O
「彼の行動による全責任は、私が負います」

葛城艦長にそう宣言されては打つ手はない。
葛城艦長に怪我をさせてしまった手前、ウチにはもう何も言えんかった。ウチは無力や。

「間に合った! 行こう! ワンコくん!」

エヴァ8号機が現れ、彼を連れ去っていく。

碇さんが今度こそ世界を救ってくれれば、ウチも、みんなも、そしてお兄ちゃんも奥さんも赤ちゃんも、滅ばずに済むかもしれない。

「せやけど、ウチは……!」

でもたぶん、碇さんとはもう二度と会えないような気がして、それが辛くて、悲しくて。

「ほんま……勘弁して欲しいわ」

兄が何故、碇さんを好きになるなと言ったのかがよくわかった。これは本当にしんどい。
しんどいと思える恋が出来て、嬉しかった。

「もしもウチのところに帰ってきたら、そん時はお兄ちゃんにどついて貰いますからね」

遠ざかる碇さんの背に愚痴を溢し、ウチはさっぱりした気分で世界の行く末を見つめる。
ここからどう転んでも、この世紀末の赤い世界はもう終わりで、新しい新世紀が始まる。

耳を澄ませば、ほらすぐそこに。


【鈴の福音】


FIN


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