4: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:10:26.14 ID:Pb5RWNl50
「最近、よくファンレターを頂くんです」
「そうだな。目立つ役を演る機会も増えてるし、良い調子だ」
ファンレターをもらうこと自体は恥ずかしがることではない。むしろ誇るべきことだ。
5: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:10:53.06 ID:Pb5RWNl50
「オペラセリア煌輝座や、ミリオン女学園が公開されてからは特に、女性の方から頂くことが増えて」
うんうん、と頷きながら、自分の内容チェックに問題が無かったかどうか、頭をフル回転させる。
様子のおかしなものや、不快に感じるものは琴葉に見せないように除外したはずだ。いや、確か「結婚してくれ」という内容のものがあったか。差出人が女性だったからそのまま渡してしまったが、アレが良くなかったのだろうか。
6: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:11:25.26 ID:Pb5RWNl50
「わ、私ってもしかして、イケメンなのかなぁって……」
あぁ違う。
彼女は調子に乗っているだけだった。
7: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:11:54.72 ID:Pb5RWNl50
「あぁ、琴葉はイケメンだよ。間違いない。もしそうじゃなかったらこんなに女性からファンレターが来るわけ無いからな」
「そう、でしょうか。それなら、もっとそういった演技にも磨きをかけていった方が良いのかどうか悩んでいて、プロデューサーはどう思いますか?」
「なるほど、ふむ……」
8: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:12:44.23 ID:Pb5RWNl50
「おぉっと、それは聞き捨てなりませんね!!!」
9: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:13:16.01 ID:Pb5RWNl50
バーン!と良い音を響かせながら事務室の扉が開いた。
その青い編み込みが目立つ本を抱えた少女は、思ったより勢いが付いてしまったのか、自分が響かせた音に一瞬身を縮めた後、再びキリリと前を向き直った。
「私たちはイケメン琴葉さん大好き委員会の者です! 話は聞かせてもらいました!」
10: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:14:00.16 ID:Pb5RWNl50
「その顔はどうして私がイケメン琴葉さん好き好き委員会に所属しているのか分からない顔ですね」
「志保、名前が違うよ。イケメン琴葉さん大好き委員会」
「えっと、プロデューサー……?」
「ごめん、俺にも何も分からない」
11: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:14:44.53 ID:Pb5RWNl50
「琴葉さ……お姉さまは、その端整な顔立ちだけでなく、凛とした佇まい、正義感溢れる振る舞いから間違いなくイケメンであると断言できます」
あぁ、ようやく理解した。
静香はミリオン女学園で琴葉と姉妹関係にあったんだった。確かにミス・ロータス役の琴葉とも触れ合う機会が沢山あったし、抱き締められたりもしてたっけ。
12: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:15:14.00 ID:Pb5RWNl50
「そうか、確かにミリ女の琴葉はかっこよかったよな」
「静香……」
いや琴葉さん。作中の呼び方に戻ってますよ。
13: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/03/08(月) 00:16:01.12 ID:Pb5RWNl50
「アシュリー……」
はい琴葉さん早かった。正解です。
即座に役に入らないと気が済まない癖とかあったっけ。メモしておこう。
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