35:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 23:54:27.05 ID:2kLflUvfO
かなり長い沈黙を経て、そういえば、と僕は思い出す。
「隣の家の玄関に看板が立ててあってさ、
大きな矢印と、Los Angelsって文字」
「ロサンゼルス」と彼女は僕の言葉を繰り返す。
「親が、これはアメリカの街だって教えてくれて。
小さいころは、矢印に沿ってずっと進んでいけば、
いつかはロサンゼルスに辿り着くんだって本気で信じてたな」
「とても良いエピソードじゃん」彼女は満面の笑みを浮かべる。
「行ってみればいいじゃないか。
いつかはロサンゼルスに辿り着くかもしれないよ?
なんてったって、地球は丸いんだからさ」
行けるわけないだろ、と僕は言う。
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