3:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 22:10:38.89 ID:2kLflUvfO
***
真っ暗なスーパーの中で、僕は舌打ちをした。
懐中電灯に照らされた陳列棚はがらんどうだ。
ちょっと前まではそれなりの数があったはずの食料。
レトルトもシリアルもカップ麺も、
全部、すっかり失くなっていた。
ちくしょう。
油断していた。
最近ではもう人っ子一人見かけないんもんだから、
僕以外の人間はとっくに
飛んで行ったんだと思い込んでしまっていた。
僕は棚を蹴る。
思っていたより大きな音がして、
その音に僕はびくりとなる。
驚いてしまった自分に腹が経ち、
もう一度、さっきよりも強く棚を蹴る。
けたたましい音が、静かな店内に響き渡る。
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