16:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 22:54:43.15 ID:2kLflUvfO
「なんというか、まあ下策だね」
笑いながら彼女は言った。
「このご時世に、刺すだの殺すだのなんてさ」
僕は黙ったまま、険しい顔をなんとか保っていた。
正直なところ、この次にどんな行動をとるのが正解なのか、
僕にはさっぱりわかっていなかった。
彼女はそんな僕の顔を真っすぐ見つめて、ふうとため息をついてから、
傍らに置いてあったギターケースに、
ギターと楽譜らしき紙を収納し始めた。
「高いよ? せっかくのゲリラライブを中断させた代償は」
立ち上がってケースを背負い、彼女は歩き始めた。
「おい」慌てて僕は声をかけた。
「勝手に動くなよ」
「いいからついておいで。
食料でいいんでしょ、分けたげるから」
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