141: ◆pYYJkGKpMM[saga]
2021/03/19(金) 22:16:00.15 ID:UwmoKswo0
出木杉(どうしようか、突破口が見つからない)
ボス「ところで」
出木杉「……ん?」
ボス「お前、ゴルーグの奴に勝ったみたいだな」
出木杉(あの部屋に監視カメラの類は無かったはずだが……あッ!?まさかこいつの能力、千里眼か何かか!?いや、あるいは過去や未来を見通す能力の可能性もある!くそ、一体どっちだ)
出木杉「あ、あぁ……それがどうかしたか?」
ボス「いや。あいつは強かっただろう。3箇所も傷を負っているようだな」
出木杉(これは暗に『そんな体で挑んで勝てるのか?』と言っているのか?)
ボス「フフフ……」
出木杉(くっ、どうにもこうにも話が進まない。こうなったら)
出木杉「名刀電光丸」チャキッ
ボス「ほう、ゴルーグを倒した刀か」
出木杉「…………うおおお!!!」ダダダダ
ボス「いいのかッ!?」
出木杉「ッ!?」
ボス「私に攻撃して、いいのか?」
出木杉「な――」
出木杉(ま、まさか能力は『見通す』力ではない!?攻撃をコピーするとか、反射するとか、あるいは攻撃した人間を殺す能力!?十分にあり得る!!こいつはここまで登り詰めた人間だ、何ら不自然ではない!!)
ボス「躊躇っているのか」
出木杉「……」
ボス「まあ、話をしようじゃないか」
出木杉「……」コクリ
ボス「私が宇宙の全可能性を管理下に置こうとしているというのは知っているな?」
出木杉「ああ」
ボス「元々この組織を作ったのは私じゃない、私の父だ」
ボス「父は偉大だった。複数の時間軸の存在を発見し、時空を移動できる技術を開発し、持ち前のカリスマ性でこれほどの大きな組織を作り上げた」
ボス「だから私も、同じものを求められた」
ボス「何をするにもすぐに父を引き合いに出される。もちろん私も父のことは誇りに思っていたし、最初の頃はまだ我慢できた。私に父と同じことを期待する周りの気持ちも理解できた」
ボス「でも、時が経つにつれてそれは変わっていった」
ボス「誰も『私』という人間を見ていない。見ているのは『タイムパトロール創設者の息子』。私は次第に父の偉大さを恨むようになった」
ボス「しかし、そこでそれをバネに成長するというのが月並みな展開だろう」
ボス「だが私はそんな平凡な人間ではない。私はこう思った」
ボス「『私を苦しめた父の偉大さを最大の侮辱と共に汚そう』と」
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