レッド(無口とか幽霊とか言われるけどダイマーックス!)
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372: ◆nIESo90.aY[saga]
2021/02/19(金) 22:39:27.17 ID:d1EXoSPK0
『はーい、第一のミッションクリア! お疲れ様っすよ〜!』

 キョウヘイのライブキャスターから音声が流れる。そこに映っていたのは、まぎれもないキョウヘイ……にそっくりのロボットであった。
 にやにやとした笑みを浮かべながらこちら側を見つめる彼に、キョウヘイは何か違和感を覚えずにはいられない。それを言語化することは躊躇われたのだが。

『何を躊躇うことがあるんすかね? 素直に言えばいいんすよ。アップデート済のキョウヘイくんは地の文すらも呼び出すことが出来るんすよね〜!』

 彼は両手を広げる。そこには何も映っておらず、文章が浮かんでいるわけでもない。それでも、これまでとは明確な違いが存在した。

『勿論、郷に入っては郷に従え。一時的なものっすよ、次のレスでは戻るっす。けど……』

 これで、俺のほうが上っていうのは理解できたっすよね? にっこりと笑って、彼はそう続ける。返事がないのを気にせず──画面右上の表示を信じるならば、これはライブ中継のはずである──彼は改めて口を開いた。

『……それにしても、あんなソースの無い情報に踊らされる人間の姿は滑稽だったっすよ。"俺"もそう思うっすよね? あ、返事はしなくていいっす。今のでわかったっすから』

 彼は笑顔で語り掛けてきたと思いきや、すぐに期待外れとでも言わんばかりに肩を竦めて見せた。わざとらしく大きなため息をついた後、またにこやかにカメラへ目線を向ける。

『残留データから予測はしていたとはいえ、残念っす! "俺"も、愛とかいう曖昧な物に囚われる人間なんすね! 残念すぎて、疑似表情筋がバグるレベルっすよ!』

 それじゃ、と彼は画面越しの自分を指さす。その表情は先ほどからぴくりとも変わらず、人工的な笑顔の不気味さをあえて表しているかのようだった。

『次のミッションっすよ。ターゲットの写真だけ送るっすから、しっかり探してくださいね〜。解除コードと一緒に画像データを添付したんで、ちゃーんと見ないとダメっすよ?』


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