玉座の間にて
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48: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/13(土) 18:51:15.25 ID:ewOe4rJE0

「―――よかろう。いやしかし、伝説に倣えば魔王を前に、剣を抜いた者を勇者と呼ぶは当然のこと。勇者の称号だけでは、ちと寂しすぎる。

他に、望むことはないのか?」

「……ならば、我ら一門に仕事をお与えください」

「恩賞ではなく仕事が欲しいと申したか?」

「ええ。我が一門は、長年の苦しみに耐えようやく真の勇者たる機会を得ることができました。

しかし、此度の戦に列することのできなかった童ら。それに、まだ見ぬ我が子孫たちは、我らと同じ《勇者》への執着に苦しみ苛まれることでしょう。

ですので、時に際して彼らにも、我らと同じ機会をお与えいただきたいのです」

「具体的には、何がしたいのだ」

「未来永劫にわたって、我ら一門を魔王番として彼の地に配して頂きたく―――」


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