【モバマスSS】まゆ「大切な日を、大切な人と」
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33: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/13(土) 18:09:54.11 ID:dBsvw9UF0
今日は今年の9月7日だと思っていたら、来年の9月7日だったらしい。
何を言っているかサッパリだが、俺が今世界で一番サッパリだ。
いや、俺からしたら今日は来年だが、世間的には今年だな....。この表現は間違っているのか?
そんなことは、ちひろさんから告げられた事実からすれば些細なことだ。
34: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/13(土) 18:12:09.14 ID:dBsvw9UF0
なんてことを考えていたら、僅かに平静を取り戻したちひろさんから、
断片的な情報と俺が死んだという証拠をいくつか聞かされ、見せられた。
そして、そのまま待っていてください、とだけ言って部屋から出ていってしまったので、
俺の方でも考えをまとめてようと試みている最中だ。
35: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/13(土) 18:14:30.16 ID:dBsvw9UF0
どれくらいの時間が経っただろうか。体感では数十分といったところだが、
最早今の俺の体感など何の当てにもならない。
示された情報や自らの調査によって導き出した結論は、俺が死んだのは真実である、というものだった。
未だにその自覚はないが、逆に言えば俺以外の世界全てがその事実を肯定している、ように見える。
36: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/13(土) 18:14:59.74 ID:dBsvw9UF0
コン....コン....
遠慮がちな、途切れ気味の小さなノック。
この身で返事をしてよいものなんだろうか。
対応に躊躇していると、
37: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/13(土) 18:16:27.47 ID:dBsvw9UF0
P「はい....?」
ガチャ
まゆ「....」
38: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/13(土) 18:16:55.83 ID:dBsvw9UF0
ついさっき(と言っても実際は1年以上前)までは、早くまゆに会いたい、なんて恋する乙女になっていたのが信じられない。
悪寒が走ったのは、気化熱と狭い部屋にしては効きすぎたエアコンの風によって、身体が冷えてしまったからなのか。
それとも、正面に座る彼女の表情が、否応なしに俺の死を自覚させてくれたからなのか。
39: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/14(日) 18:28:34.86 ID:q3m1PlvQ0
まゆ「....」
P「....」
まゆ「....あの」
40: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/14(日) 18:29:48.00 ID:q3m1PlvQ0
P「....よかったのか、ここに来て」
まゆ「....あのまま逃げていても」
まゆ「まゆの心のざわめきは治まりません」
41: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/14(日) 18:30:58.55 ID:q3m1PlvQ0
私たちは、現実から目を逸らすように他愛もない話を続けました。
1年という長い離別は、お互いの心を遠ざけてしまっていたんでしょうか。
プロデューサーさんはどこか遠慮がちに、私の内側を探るような語り口。
私は言葉を紡ごうとしても、どこかで引っかかってしまって、滑らかに口から出ていきません。
42: ◆bL5b7ovQmQ[saga]
2021/02/14(日) 18:31:29.21 ID:q3m1PlvQ0
P「そうか、もう立派な売れっ子アイドルだな....」
まゆ「プロデューサーさんがそう言ってくれて、嬉しいです」
P「....まゆも俺が見ないうちに、もっと成長したんだな」
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