【アークナイツ】フロストリーフ育成計画【安価あり】
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18:名無しNIPPER[saga]
2021/01/27(水) 06:06:28.53 ID:vefe/a57O
最終目標に頭を悩ませるのを中断し、目下の課題と向き合う。

フロストリーフの服装は、ブランクのものと比べると格段に痛ましい。

戦火に包まれた町から命からがら逃げ出し、おそらくその時に着ていたであろう白いワンピースは、泥と血に塗れて本来の色の面影を残していない。

木に引っ掛けたのかところどころ破れており、スカート部に至っては縦に裂け目が出来ており、柔肌が露出している部分もある。

履き物のサンダルも、移動による損耗で紐は千切れかけており、靴底の割れ目が目視出来るほどだ。

汚れた衣装に身を包む、人形のような少女の美しさが、アンバランスな魅力を出してはいるが、このまま放置するのはいただけない。

「………」

財布の中身を確認する。

幾つか宝石を換金したので、日常生活に+αで少し贅沢するくらいなら大丈夫な程度には、余裕がある。

「数分待ってろ。少し買い物してくる」

「私に気を遣う必要はない。好きなだけ買ってくればいいさ」

「んなことしてお前が攫われたら、俺が損するからしねぇよ」

「…そうか」

「じゃ、そういうことで」

フロストリーフに背を向けて、ブランクはプラプラと手を振り、逃げるように服屋に向かう。

悪役を演じているようなこの物言いを、あの人が聞いたら何と言うだろうか。

無理して道化にならなくていい、と慰めるのだろうか。

それとも、あなたにはお似合い、と嘲笑うのだろうか。

きっと、前者だろう。

血に染まった獣を受け入れ、自身の命より他人の命を優先した、愚かで優しい彼女なら、きっと、そうする。

何故か悲しげなブランクの背中を見つめるフロストリーフは、右腕の包帯に手を添え、目を瞑った。


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