87:名無しNIPPER[saga]
2021/01/15(金) 21:18:00.83 ID:+gLJjSpd0
亜美「調理の現場はわたしも見ていたわ。島田さんは大きな肩ロースをひと口大に切ってカレーの具とし、その残ったかたまりを薄切りにしていたわね」
亜美「同じ牛肉の同じ部位なのに、なんというか……風味が違うのよ」
愛里寿「薄切り肉のほうの、色をご覧ください」
みほ「牛肉の、色……?」
華「カレーがかかっていてよくわかりませんが、いったい……?」
優花里「でもよく見ると、うっすらとピンク色に見えますね」
麻子「ピンク、だと……!?」
沙織「えっ? それってつまりどういうこと?」
愛里寿「カレーは煮込む料理。だから当然、牛肉も長時間煮込むのが当たり前とされてきた」
愛里寿「でも牛肉の料理は、ステーキならレア、ローストビーフの中央はロゼ色と、『半生』に仕上げるほうが良いとされることがある」
優花里「確かに、焼肉屋でこだわりのある人なんかは、焼きすぎるなとやかましく言いますよね」
愛里寿「大和に積まれていた牛肉はむろん和牛。輸入牛との違いは、『和牛香』と呼ばれるあの独特の香りにあります」
亜美「そういうことだったのね! この風味の正体は、生の牛肉特有のもの!」
亜美「でも、ただ単に生肉というわけではないわね。うっすらと火を通した跡がうかがえるし、何よりちゃんとした味がついているのよ。この味がまた白いごはんに合う!」
愛里寿「だしを張り、砂糖やしょうゆなどで味付けたものを煮たたせ、そこへさっとくぐらせました」
愛里寿「いわば牛丼のつゆのようなものといったところでしょうか」
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