【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 11巡目
↓ 1- 覧 板 20
569: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/02/06(土) 22:31:17.26 ID:7J7svnMb0
>>568 分かる……とても分かる……。
そう言うわけでやっていきます。今日はいつも以上にゆっくりめになると思いますが。
※
――――
――
―
とてもショックだった。どのくらいのショックかというと目がびよーんと飛び出てしまうくらい、心臓が口から出てきちゃうくらいショックだった。
ユウナ「はぁああああああああああ…………」
何がショックだったのか、と訊かれると。それは昨日出会ったとある男の存在によるものだと答えることしか出来ない。
ロティヌス、彼は確かに自分のことを「勇者」と名乗った。
ユウナ「…………あんなんじゃないよぉ」
――初めて実際に会った勇者は、まるで自分の思い描く勇者像を大きく異なっていた。悪い方向で。
Tシャツに短パンサンダル。そこまでラフな癖にその格好には不釣り合いなほどにカッコいい真紅の兜だけは被ってて。
がさつで、何か妙に荒々しくて、横暴な――どこぞのチンピラみたいな言動の男が、勇者と名乗っていたのだ。
ここまでならまだ「ふん、嘘ばっかり言っちゃって。そんな嘘に騙されるわけないだろ?」と突っぱねることも出来るのだが――――。
ユウナ「何で、何であんなんのが強いんだよぉ……」
ビックリするくらいにその男は強かった。子供とちょっと遊んでやるか、みたいな態度でぼくの攻撃をいとも簡単に対応して、こちらの体力が尽きたとしても全く汗の一つ掻かず。
それがあまりにも恐ろしくて――怖くて、ゾワゾワと鳥肌が立って。だからぼくは、吹き飛ばされた剣すら拾わずに――逃げてしまった。
こんな完膚なきまでの敗北を味合わされてしまったら、認めるしかなかった。彼は「勇者」であると。嫌だと言っても実力でわからせられてしまった。
ユウナ「……」
朝、ドロシーにも「ちょっと体調が悪いからもう少し横になってる」とか言ってしまったが、それは嘘である。
「ショックを受けすぎて心の整理をしたい」とは何か恥ずかしくて言えなくて、仮病を使ってしまった――ああもう、なんとも子供みたいな。
ユウナ「はぁ……剣まだ残ってるかなぁ」
情けないよなぁ、剣も置いてあんなみっともなく逃げ出して……。
ユウナ「…………朝ごはん食べてこよ」
もう朝ではなくお昼の時間だけど、それは気にしない気にしない。
1002Res/358.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20