264: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:16:40.97 ID:jBOGtbqc0
『だから、これから先、同じことがあったらのう……もう、壊さないように。しっかり守るんじゃぞ、静や……』
『……うえええええん……』
…………
265: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:17:47.86 ID:jBOGtbqc0
静「……その時、おじいちゃんは泣き止まないあたしを見かねて……新しいサングラスをくれた。おじいちゃんのお母さんが愛用していた、サングラスを……」
メイ(こ――『これ』は……この『記憶』はッ!)
静「単純だった子供のころのあたしは、その時すぐに泣き止んだ。……ジョースター家のものをもらって、嬉しかった……ん、だと思う」
266: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:18:33.10 ID:jBOGtbqc0
静「だけど……だけどね。あたしは……壊したサングラスが欲しかった。……とても、とても後悔しているわ」
メイ「……」
静「冒険したことも、おじいちゃんに花を贈ろうとしたことも……後悔していない。あたしは、自分の行動に後悔はしない」
267: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:19:07.88 ID:jBOGtbqc0
静「あたしの後悔は、大切なものを守れなかった事。だから――……あたしは二度と。大切なものは失わないって……決めたの」
・ ・ ・ ┣¨ ┣¨ ┣¨
メイ「……し……静、その『記憶』はッ!」
268: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:20:25.06 ID:jBOGtbqc0
メイ(『静・ジョースター』を作る根本にして『信念』ッ!!それは、精神の奥そこに刻まれた『魂の記憶』ッ!!わ、わたしは……)
静「……ねえ、メイ……」
ス ッ ……
269: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:21:28.67 ID:jBOGtbqc0
静「……なんであたし……『子供のころのサングラスをまだつけてるのかしら?』」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ(わたしは、静を『冒険』という危ないものから遠ざけたのにッ!!彼女の魂は!それを叫んでいる!!わたしの『素晴らしきこの世界』が――……『素晴らしくない』!!と!!……言っている……静は!!声高らかにッ!!)
270: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:22:30.85 ID:jBOGtbqc0
静「メイ……あたし……なんだか、『あたしじゃあないみたいだわ』……」
メイ「静……ハァ、ハァ!わ……わたしを……」
271: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:22:58.11 ID:jBOGtbqc0
メイ「信じて……わたしを――……ハッ!!」
静「?……え?」
272: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:23:36.37 ID:jBOGtbqc0
……静・ジョースターの握っていた『花』が……
いつの間にか、『紙』に変わっていた……。
くしゃくしゃの『紙』に……!!
273: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:24:29.61 ID:jBOGtbqc0
メイ「わ……わたしは……わたしは!!……わたしを……!!」
ハァーハァー
メイ(負けない……負ける訳がないッ!わたしは、『神』なのよ!世界はすでにわたしのもので、あとは彼女……静だけッ!!彼女を危険から遠ざけて、しっかり守って愛したのに!!……それを、こんな……ちっぽけなウスら汚い『紙』がッ!!わたしと静の甘美なる、神聖な時を……完全な世界を!!……壊せるわけがないッ!!)
274: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:25:21.28 ID:jBOGtbqc0
メイ(あと一歩……もう『一歩』なのよッ!『信じて』って……『あなたの勘違いよ』って!!……『そんなボロい紙がなんだっていうの?』って鼻で笑うだけで!わたしは……静と『友達』になれるッ!真の『友達』にッ!!い……今さら……)
ギリッ!
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