白菊ほたる『人身御供』
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8: ◆ikbHUwR.fw[sage saga]
2021/01/01(金) 19:44:32.40 ID:MkNadbD70
村長「はい、4月19日生まれの13歳で、出身は鳥取の……まあこの村ですな。趣味は笑顔の練習とお守り集め、身長156センチ、意外と高いですね。体重は42キロ。牡羊座AB型、スリーサイズは77−53−79で――」

山の神「まてまてまて! なんでそんなとこまで知っとるん!?」

村長「プロフィールに書いてありますので……」

山の神「村人のプロフ管理しとるん? プライバシーの侵害ちゃう?」

村長「で、将来の夢はトップアイドル、とのことです」

山の神「アイドル?」

村長「あるときテレビの音楽番組で見たアイドルに憧れたみたいですな」

山の神「ほーん……」

村長「幼いころから村の行事なんかも手伝ってくれようとしていたんですが、よく物を壊してしまうので、周りからは『頼むからなにもしないでくれ』と言われていて、近頃はそういったものには参加しておりません」

山の神「物を壊す? そんな乱暴者には見えんけど?」

村長「なぜか、近くにあるものがよく壊れるみたいです。他にもなにかが落ちてきたり、地割れが発生したりと。小さい子を持つ親などは、危ないからほたるちゃんには近づくなと自分の子供に言い聞かせているようです」

山の神「ああ……それでか」

村長「?」

山の神「いや……だったら、ワイの嫁によこせば、村としてもなにかと都合がええんちゃう?」

村長「村人を――生贄に捧げろと?」

山の神「人聞き悪いな。嫁や嫁、殺したりはせん。ぜったい幸せにしたるから」

村長「そうですね、ほたるちゃんを移籍させるとなると、2千万円はいただかないと」

山の神「なんの話を始めた!? 移籍!?」

村長「いや、神様からの頼みなんて珍しいですし、せっかくだから絞れるだけ絞っといたほうがいいかと、お金でなくともいいのですが」

山の神「いくらなんでも正直すぎんか? ……ほな、向こう50年の大豊作を約束したるわ」

村長「それじゃ今までと変わらないじゃないですか、もっと他にこう、なんかあるでしょう?」

山の神「……温泉湧かしたるわ。村外れの、なんも使っとらんとこに」


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