白菊ほたる『人身御供』
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6: ◆ikbHUwR.fw[sage saga]
2021/01/01(金) 19:42:12.80 ID:MkNadbD70
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村長「チャーッス、お届け物でーす」

山の神「村長、その口調でええんか?」

村長「大変失礼いたしました。今年も神様のおかげで豊作でございます。ありがたやありがたや」ナムナム

山の神「これはこれでイラっとくるな……なあ、村長」

村長「なんでしょう?」

山の神「ワイな、今まで村人にあれせえとかこれせえとか言わんかったやろ? 神とはいえな、あんま無茶な要求しとると旅の武士とか僧侶に退治されてまうねん。ワイは詳しいんや」

村長「はあ……」

山の神「充分ええ暮らしさせてもらっとんのもわかっとる。せやけどな? こう長いことぼっち暮らししとると、たまには寂しさに涙する夜もあってな……その、つまり……嫁さんとか、欲しいかなと思って」

村長「婚活を?」

山の神「ちゃうねん」

村長「……?」

山の神「首かしげんなや、神は婚活せんねん。だからその、村のオナゴをな、ひとりワイの嫁によこしてほしいちゅう話や」

村長「なるほど、そのような話でしたか。わかりました、考えておきます」

山の神「それ考えるゆうて放置する流れやな?」

村長「ははは」

山の神「否定せえや。……実はひとり、もうワイのほうで見当つけとるのがおんねん」

村長「ふむ? 名前はわかりますかな?」

山の神「ええと……名前はな、その……しら……しら……」

村長「シラット?」

山の神「なんで東南アジアに伝わる伝統的な武術やねん。女の子の話しとったやろ」

村長「なるほど。すると、しら……白坂小梅?」

山の神「白坂小梅、村におらんやろ」

村長「白雪千夜?」

山の神「だから、おらんやろ」

村長「白瀬咲耶?」

山の神「他社や」


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