白菊ほたる『人身御供』
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2: ◆ikbHUwR.fw[sage saga]
2021/01/01(金) 19:37:49.68 ID:MkNadbD70
山の神(山奥に立派な豪邸をおっ建ててもらって)

山の神(食いもんは、ふもとの村の村長が定期的に届けにくる)

山の神(食って寝るだけの、悠々自適のニート生活や。楽やわ、楽なんやけど――)

山の神「……さみしいな」

山の神「うん、さみしいわ。そらひとりごとも出るってもんやわ。村長以外の人間はウチ来てくれへんし、村長も佐川急便の兄ちゃんみたいにさっさと帰るし、たまに勝手に置き配してくし、盗まれたらどないすんねん。いや盗まれんけどな? ひと来えへんのやから」

山の神「……はあ」



ほたる「……」テクテク

山の神(お?)

ほたる「……」キョロキョロ

山の神(人間! 人間の女の子や!)

ほたる「!」トテテテ

山の神(あれは、キノコ? 採取に夢中になって、ここまで来てもうたんか)

ほたる「〜♪」ヒョイヒョイ

山の神(どないしよ。話しかけたいけど、驚かれるやろし――って!)



山の神「おい嬢ちゃん!」

ほたる「ひっ、神様!? あ、ここは禁足地でした! すみませんすみません!」

山の神「いや、それはええねん。それよりもな、それ毒キノコやで」

ほたる「ど、毒!? えっと……どれがですか?」

山の神「どれっちゅうか、いまそのカゴに入っとんの、ぜんぶ」

ほたる「そ、そんな……」ガーン

山の神(知らんで採ってたんか。誰か毒殺する気かと思ったわ)

ほたる「せっかく、いっぱい採ったのに……」ショボン

山の神「……あー、嬢ちゃん、ちょいそこで待っとって」

ほたる「え?」


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