志保「三麺娘とソバの話」
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4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2020/12/31(木) 21:49:45.49 ID:31ioHmBu0

「貴音さん、どうかしました?」

「しっ、静かに」


ひょっとしてそれはギャグでしょうか?

なんて勿論聞けない私だけど、彼女の視線を追ってると、最終的に道路を挟んだ向こう側の何かを捉えて静止した。

「一体どうなさったんでしょう?」なんてエミリーが小首を傾げて見せる。

私も同じ気持ちだったけれど、彼女と一緒に貴音さんが見ていた方を向いて納得。


「ああ」

「まあ!」

「はぁ……っ!」


私、エミリー、貴音さんの順番で漏らした吐息が空中で混ざり合った。

その一瞬生まれたモヤモヤより、もっと実態を持ったモヤモヤが通りの向こうで立ち昇っていた。

それは屋台。屋台が出してる煙。……あったかい空気が白くなるアレも煙と言うかはさて置いて、
道路に面した空き地の前、古びた電話ボックスの横に、まるでアイスを売ってるみたいなノリで移動屋台が営業中だった。

それで、防寒用のビニールシートのすぐ傍には小さな電飾看板が立ててあって。


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