美容師「男さんの彼女ってどんな人なんですか?」
↓ 1- 覧 板 20
9:名無しNIPPER[saga]
2020/12/31(木) 19:19:50.57 ID:I+jWp9wp0
美容師「私もシミューレッド・リアリティが好きなんですよ。あの足元が揺らぐ感覚」
男「スワンプマンの哲学を題材にした物語とかもっとあればいいのになって思います」
美容師「中国語の部屋とか、チューリングテストとか、ああいう思考実験を使ったドラマとかテレビドラマでやればいいのになぁ」
男「…………」
美容師「どうされました?」
男「ああ、いえ、えーと」
美容師「喉元まで出たら吐き出すべきですよ。喉元過ぎたら熱さを忘れられますから。さあ、さっさと吐いてください」
男「逆流かよ。ええと、ありがたいなと思って」
美容師「ありがたいですか?」
男「昔、通ってた美容院があるんです。そこで僕にいつもついてくれた女性は、僕にすごく似合うカットをしてくれたんですけど、振ってくる話題が苦手だったんです」
美容師「どんな話題だったんですか」
男「恋愛の話題です」
美容師「ほほお」
男「そのお姉さんは最初こそ、趣味とか仕事とか、王道の話題をしていたんですけど。僕がリピーターになってある時から、恋人の有無を尋ねてきたんです」
美容師「それってわるいことじゃないですよ。恋人がいそうに見えたから振ったんじゃないですかね」
男「この際だから言っちゃいますけど、僕、女性と交際経験が無いんですよ。だからその手の話題を振られる度に困っていて」
男「出来たことがないって答えて印象悪くなってほしくないし、咄嗟に嘘をついてしまったんです」
美容師「どんな風に答えたんですか?」
男「ドン引きしないでくださいよ」
美容師「もちろんです」
男「その美容師の女の子に、架空の彼女の話をしたんです」
9Res/9.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20