竈門炭治郎「義勇さんは、泣かないんですね」富岡義勇「俺は水柱だからな」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/12/20(日) 20:19:48.65 ID:oGbsfrUpO
「今思えば炎柱には随分と苦労をかけた」
食後、茶をすすりながら炭治郎に語る。
どうしようもなく炎柱のことを話したい気分だった。炭治郎は静かに聞いてくれた。
「他の柱たちと反りが合わない俺を、どうにか孤立させないように手を尽くしてくれた。突然怒りだした柱を宥めるのも炎柱だった」
「本当に自覚がないんですね」
たしかに俺は自覚に欠けていた。
錆兎から託された水柱という立場。
それを軽んじていたことは否めない。
錆兎ならば、どうするか。
錆兎から託されたならば、どうすべきか。
俺は俺なりに立居振る舞いを考えねばならなかったのに、それを放棄していた。
「情けない限りだ」
今すぐ、炎柱に謝りたい気分だった。
炭治郎に柱としての在り方を見せてくれた彼のおかげで、ようやく間違いに気づけた。
炎柱、煉獄杏寿郎。俺は彼に会いたかった。
「義勇さんは、泣かないんですね」
「俺は水柱だからな」
「やっぱりすごいなぁ。俺なんか、大泣きしちゃって。今だって、煉獄さんのことを思い出すだけで泣けてきます」
水の使い手は誰よりも冷静でなくてはならない。感情のさざ波は波紋となりて刃が狂う。
それでも俺は炭治郎が流す涙を美しく思う。
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