23歳男だけどガチでサンタクロースを信じてるんだが異端か?
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24: ◆CItYBDS.l2[saga]
2020/12/17(木) 18:46:45.47 ID:Hnopzhod0
 それまで、話をずっと黙って聞いていた彼女から、憐憫の眼差しが向けらていることに僕は気づいた。

 しかし、僕は、彼女のその刺々しさをものともしない。それどころか、その鋭さが、鋭さゆえに心地よくすらある。そもそも、僕は彼女のその反応を最初から想定していた。

「先輩、クリスマスイブにわざわざ私の部屋まで訪ねてきてすることが、そんな面白くない話ですか」

 彼女の声には、憐憫を超えて強い蔑みすら感じられる。あぁ……なんと安らぐ声だろうか。

 兼ねてより、僕にはMっ気があるのかもしれないと思っていたが。どうにも彼女と出会って以来、その傾向は顕著になってきている。

 だが、強い男に憧れる身としては自分がMであるとは素直に受け入れ難い。でも、それが事実であるならば真正面から受け止めるのもまた強い男だ。だがしかし、彼女に俺がMだなんて知れたら、恥ずかしさ、情けなさのあまりに僕は身もだえることだろう。

 まあ焦る必要もあるまい。僕がMであるのか、そうではないのかという問題は慎重に検証する必要がある。

「でもまあ、決して面白くはなかったとはいえ、検討に値する程度の話ではありましたので、すこしだけ考えてみましょう」

 その言葉とは裏腹に、彼女の瞳には好奇心の色が宿っていた。こうなった彼女は、本当に頼りになるのを僕は知っている。もともと、僕と彼女は高校時代に図書室の常連として知り合ったわけだけど。

 彼女は俗にいう、探偵脳(石黒正和曰く、ミステリ小説を好んで読む人が陥る脳の状態)であった。すなわち、他愛のない日常の出来事にですらミステリ的推理を用いてしまう人のことであるが。

 そんな、彼女だからこそ非日常的な出来事に強い関心を示すのだ。


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