千川ちひろ「竹芝物語」-SS速報VIP

千川ちひろ「竹芝物語」

↓ 1- 覧 板 20

37:名無しNIPPER[saga]
2020/12/09(水) 22:05:54.76 ID:tuPg/zAq0
　プロデューサーさんは、掲げていた手をダラリと垂らしました。
　その手に持つ紙には――。

　んまっ！　なんてあぶない水着。

「確かに、蘭子……君は言葉遣いが少し変わっているのかも知れない。
　自分の意志を、相手に伝えるのが苦手なのかも知れない。
　でも……ＣＰさんも俺も、君自身の口から、企画についての話を聞きたいだけなんだ」

　ちょうど私は、プロデューサーさんと蘭子ちゃんが噴水を挟んで向かい合うのを、横から見ている形でした。
　少しトーンを下げ、蘭子ちゃんに語りかける彼の横顔は、普段より少しシリアスに見えます。

「すべては一歩の勇気から」

　プロデューサーさんのその一言には、なぜか、得も言われぬ凄みがありました。
　先ほどまで泣きわめかんとばかりだった蘭子ちゃんも、彼から目を離せずにいるようです。

　そして、私も。

「自分の内面を誰かに見せるというのは、とても勇気がいることだ。
　でも、ＣＰさんや俺が本当の意味で君を理解するためには、俺達だけが歩み寄っていくだけではどうしても足りない。
　だから……君にも、その一歩を踏み出して欲しい」
「……我が友が、私を？」

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

351Res/351.60 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ