キョン「9マイルは遠すぎる」
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6: ◆copBIXhjP6[saga]
2020/12/06(日) 15:44:30.89 ID:/JAVxUrS0
ガラス戸のベルを鳴らしてそいつが姿を現した頃には、俺の頭には一つのフレーズが不自然なほど自然に降りてきていた。

古泉「どうですか。思いつきましたか?」

キョン「なんというか、ふと頭に浮かんできたんだけどな――――」


『一時間三十分は遠すぎる。ましてや雨の中となれば尚更だ』


キョン「――――ってのはどうだ」

古泉「待ってください。ふむ......『一時間三十分は遠すぎる。ましてや雨の中となれば尚更だ』ですね?」

キョン「ああ」

古泉「これは困った。手掛かりはあまり無いようですね」

キョン「だがお前が言った通り原稿用紙一行分くらいだ。少しはみ出ちまったが」

古泉「これは誰かの発言ということでいいのでしょうか?」

キョン「うーん......まぁ、そうだろうな」

古泉の顔から嘘臭いスマイルが薄れる。こういう時のこいつは決まって、幾分真剣に何かを考えているのだ。
しかし、それもやがて合点がいったと言わんばかりに元に戻った。

古泉「なるほど、分かりました」

何がなるほどなのかはよく解らんが、少なくともしたり顔でこんなことを持ちかけてきたことは確かだ。

古泉「ところで賭けをしませんか。負けたほうががジュースを一本ということで」

キョン「それは構わんが、どうやって勝敗を決めるんだ?」

古泉「あなたが感心して『参った』と思ったらあなたの負け。そうでなければ僕の負けで良いでしょう」

キョン「おいおい、本当にそれで良いのか」

古泉「はい。勿論ですよ」ニコッ


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