66:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:51:28.12 ID:6NLLeJ5C0
ぼうっとしていると、文香が囁いた。
「……灰色は、お嫌いですか」
目を遣ると、彼女はまた、千夜に読めない表情を浮かべていた。大きく見開いた瞳は、探るというより、読み解こうとしているような。締まりきらない唇は、閉じ忘れたというより、微笑み忘れているような。
「……いいえ。好きも、嫌いも」
返すと、文香は諦めたように微笑みを見せ、顔を伏せた。
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