32:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:16:28.69 ID:6NLLeJ5C0
「贈り物……」
「そーそー」杏は声を低くして語った。「その先輩、プロデューサーに一から十まで叩き込んだ人なんだけどね、お母さんが病気になって、田舎に帰らなきゃいけなくなったんだって。プロデューサーも何とか引き留めようとしたんだけど、やっぱり駄目でね。それで最後の日、夏の日ね、ヒグラシとか鳴いてたの。見送りに行った電車の改札でさ、絶対トップアイドル育てて、世界のはじっこまで輝き届けてくれって、このカップ託されたんだ」
何かを確かめるように、千夜を覗き込む。
「それ以来、このカップは約束の…… ううん、これはプロデューサーの一等星――夢の象徴だったんだよ」
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