白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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203:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 02:29:13.57 ID:tRJaplXx0
「しかし、そこは悪役でした。結局は悪徳が、過去への拘りが、彼を滅ぼすのですね。彼にはこの仕事を、復讐でなくすることは出来なかった。

 塩、です。ギリシャなどでもそうでしたが、ここでは塩は歓待や友情の象徴であり、共食したものとは争えないのだそうで。《仇と一緒に塩は食べない》のです。

 頭領は、アリババが敵である事を忘れられなかった。単に始末すべき、害虫のようなこそ泥とは思えなかった。仲間を失ってボロボロになっても、名誉ある剣士として戦わずにはいられなかった。だから彼の家に招待を受けた時も、料理から塩を抜いてくれるように頼んでしまったのです。

 モルジアナはそれを奇妙に感じ、客の商人がかつて主人を襲いにやってきた盗賊であることを見抜いた。一通りもてなすと、食後の楽しみに、本職顔負けの踊りを披露する。そして隙を見て、短刀で頭領を刺してしまいました。

 頭領は三十七人の部下たちと共に埋められ、こうして盗賊団は、最後の一人に至るまで完全に滅びきったのです」



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