白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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175:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 02:12:25.37 ID:tRJaplXx0
「スプレーか!」彼は口元いっぱいに笑みを湛え、鼻を鳴らした。「嫌だったか?」

 答えないままで、ショールを摘む。ひんやりする。持ち上げて、離して、持ち上げる。
 そういえば、
「直しが要るのでしょう、これ。いつまでも着ているわけにいかないのでは」

「そうだった、もうすぐ時間だ! 脱いで脱いで」
「急かさないで下さい」
「ごめんな、ちょっとのんびりし過ぎた」
「言ったでしょう」
「はは、名残惜しいか? いい衣装だよな。本番で着れるからさ」

 慎重に袖を外していく――そうか、本番、か。
 まあやってやるか、と息を吸う。すると、なにか独特の香りもまた飛び込んできた。甘く、瑞々しく、バニラ風味も混じっているようだ。

 これは、――

「おい…… やっぱりメロンくさいぞ」
「好きだろ?」


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