26:名無しNIPPER[saga]
2020/12/03(木) 23:43:45.71 ID:RN/eAcQX0
ガチャ券から発せられた虹色の輝きが、世界を彩る。
男「こ、これがSSRか!?」
ルシファー「どうかしたの」ヒョコ
熱い、熱い!胸の鼓動が耳元で鳴っている。
男「見てください!新しい仲間が、来るんです!」
ルシファー「…これは」
目も眩むような閃光と共に現れたのは、白き少女と、黒き鳥だった。白き少女は黒き鳥の翼に守られるようにして、立ちすくんでいる。
黒き鳥「ラジエル、どうやら俺たちはこの男に召喚されたみたいだ」
ラジエル「あ、うぅ。この人、手を叩いて喜んでいる…こわい」ブルブル
黒き鳥「そして、その隣には…ルシファー。お前のような優れた天使が、なぜその男といる?」
ラジエル「ルシファー…その翼は」
ラジエルはルシファーの姿をみてひどく衝撃を受けたようだった。
ルシファーは微塵も気にかけてない様子で、後ろ髪を指で這わせた。
ルシファー「私の失敗なの」
ラジエルの表情に一瞬浮かんだのは、憐憫と疑念だった。
ラジエル「もし、この人がルシファーに何かをしたのなら―――」
ラジエルは男の方を向いた。
男「…ふふ、SSRか、不思議といい響きですね。スーパースペシャルレアなわけですから。しかもしゃべる烏までついてますよ。」
ラジエル「ひぃっ」
ルシファー「この男は悪いモノではないよ、ラジエル」
黒き鳥「ただの人間でもあるまい。天界にいる天使を呼び出すなど、高位の召喚術であろう」
ラジエル「であろー」
ルシファー「私たちは、世界を救うために協力しあっている」
男「その通りです」
ルシファー「もし、ラジエル。天界の知恵と呼ばれる、君がついてくれるなら心強いことこの上ない」
ラジエル「う」
ラジエルは居心地悪そうにもぞもぞとし始める。
ルシファー「それと君もだよ、世界の果てまで飛び、神にその知識を伝えたといわれる烏、【黒き鳥】レイヴ。君がいれば、世界は縮こまって見える
だろう」
黒き鳥「…」
ラジエル「えっと、お誘いはうれしいのですが、お断りします」
ラジエル「実は、外の世界をみたいのが本音です。レイヴから聞いた世界を自分の目で見てみたいと思います。でも、私は【封じられし大図書】、
天界の書物を守るのが、私の使…」
黒き鳥「いいだろう、ラジエルを連れていけ」
ラジエル「ほえ」
黒き鳥「戦火の上がっている天界より、こちらの方がいくらか安全だ。それに俺はこの戦争を見届ける使命がある。戦争の中で天使が一人いなく
なったところで、俺は気づかない」
ラジエル「レイヴ…」
ルシファー「レイヴ、嘘をついたら、舌を引っこ抜かれるよ」
黒き烏「言葉は罪。黙すが善」
黒き鳥はそう言って、飛び去った。
黒き鳥は、言わなかった。戦争がすでに覆しがたいほどに劣勢であることと、それが神の不在によるものであることを。
黒き鳥は、飛び続ける。神を見つけるまで。
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