高森藍子「加蓮ちゃんが忙しい日の、いつもではないカフェで」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/29(日) 19:09:18.13 ID:SopT+Ge10
>>9 度々申し訳ございません。最初の4行が抜け落ちていました。追記した上で、>>9の文章をこちらに差し替えるものとさせてください。



 いつか加蓮ちゃんと一緒に思い描いた、ぼんやりとした風景。
 1人でいるからでしょうか。それとも……さっきから、店員さんの目線ばかりでいられるのも、私が成長したっていうことなのかな。
 ひょっとしたら、ちっちゃなきっかけがあったから?
 今なら、もう少しだけはっきりと、楽しいところも難しいところも、現実感を抱いて……やってみたい、って思うんです。

 アイドルには、そしてPさんには、やりたいと思ったことを実現できる力があります。
 加蓮ちゃんだって、かつての自分と重ね合わせて、力になりたいって思って、病院のみなさんに夢をあげました。
 それなら私にだって……とまでは……言えなくても。でも、じゃあ、ほんのちょっぴりだけ。真似事になってしまってもいいから、できないかな。
 カフェ……ううん、私なりの、癒やしの世界を作ること。

 私1人では、分からないから……そういう時は、誰かに相談してみなきゃっ。Pさんは今日は事務所にいないから……それなら、さっき思い浮かべた誰かっ。未央ちゃんでも、愛梨さんでも!

 沼の中に浸かっていたように重い足が、お散歩用のシューズを履いた時のように軽くなってきました。
 遠い遠い世界が、今では少しだけ、近くに感じることができます。

 世界中から注目される舞台に、自分が立つことを、今は想像できなくても。
 もやを晴らすため、自分の好きな、近くにある幸せへ目を向けることが、たとえ逃避になってしまうとしても。
 私は1つずつ、1歩ずつ、できることからやっていこうと思います。
 やりたいって気持ちがある限り、大丈夫!

 最後に、電源が落ちちゃっていたスマートフォンを起動し直して、やっぱり表示されたままの写真――さっきは何重にも並べられたショーケースの向こうに飾られているように見えた笑顔も、ごく最近に、例えばカフェで一緒にのんびりした時や、例えば事務所のレッスン終わりにお話した時のような、可愛くて、ちょっぴり悪戯っぽくて、私と同い年な女の子のような、すぐ向かいにいる、いつもの加蓮ちゃんに見えるようになりました。
 ……ふふっ。そのハズなのに、まばたきをしたら、また遠く煌めいているアイドルにも見えちゃいます。少しだけ気持ちがしぼみ返しちゃう自分のことも、おかしいって笑うことができちゃう。
 自分でも、変なのって思います。どっちにも見えるんです。それなら、加蓮ちゃんがまた私を誘ってくれる時までは、少し待ちましょう。


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