919:名無しNIPPER[sage saga]
2021/11/20(土) 09:08:18.98 ID:KbfSVIxh0
『ヘラジカのソリ』
盗賊「出すぞ!!早く乗れぇ」パシン
ヘラジカ「オエッ…ブモモ…ゲヒゲヒ」ドスドスドス
盗賊「お前等後方に弓撃つ準備しておけ…ウェアウルフが追って来るかもしれん」
民兵「ははは…はい」ブルブル
盗賊「おい!アサシン!!行先どうすんだ!?」
アサシン「次の作戦に移る…進路は北だ」
盗賊「こりゃ作戦成功なんか?」
アサシン「首を半分落としているのだ直に死ぬのは明白」プルプル
盗賊「ん?なんだお前どっか具合おかしいのか?」
アサシン「今倒したウェアウルフはな…私の旧友なのだ…そして吊るされて居た人骨はその娘…お前も知って居る人物だ」
盗賊「なんだと!!?ウェアウルフの知り合いなんか居無ぇぞ?」
アサシン「あの娘は私達の仲間になりえた…エリクサーの効果をもっと早く知って居れば仲間だった筈だ」
盗賊「誰よ?」
アサシン「女海賊に知り合う前の私の助手だったと言えば思い出すか?」
盗賊「シャ・バクダの宿屋の娘か!」
アサシン「ウエァウルフは遺伝性の病気なのだ…そして生きた血肉を食らわないと正気を失う…私と同じだな」
盗賊「宿屋の娘には随分世話になった…あの人骨がそうだったのか」
アサシン「血肉を食らう必要がある故に私と同行出来なかった…代わりに女海賊が同行するようになったのだ」
盗賊「でも何で吊るされてんだよ」
アサシン「簡単な話だ…ウェアウルフだと知られて村人に吊るし上げられたという事だ」
盗賊「なるほど…食料不足で生きた血肉を食えなくなったもんだから人を襲ったんだな?」
アサシン「エリクサーの事さえ知って居れば誰よりも優秀だった筈…そしてその父も優秀な男だった」
盗賊「思い出した…コブラ酒が好きだったな」
アサシン「私がワインを飲むのと同じ…喉の渇きを癒すのに好んだのがコブラ酒だ」
盗賊「宿屋でコブラ酒頼んだら毎回あの娘が持って来たな」
アサシン「身内だった者に手を掛けるのは心苦しい…私が正気を失った時はお前も同じ思いをするだろう」
盗賊「言うな…考えたくも無ぇ」
アサシン「シャ・バクダはもう終わりだ…私が守りたかったものはすべて無くなった」
盗賊「まだだ…まだ民が残って居る」
アサシン「気休めか?少し休みたいと願っては居るが眠る事も出来ない…永遠の命とは残酷だ」
盗賊「言葉も無ぇ…」
ドスドスドス スーーー
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