【オリジナル】『トリック・or・トリートめんつ!』
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:25:54.50 ID:SpDo0D5BO
そうして遊んでいるうちに一時間半が経っていた。まだまだあいつは見つかりそうにない。俺はフッと軽く息を吐き出して、スマホにメッセージを打ち込む。
『おなかへった。ちょっと休憩しよ』
以下略
AAS
16
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:26:58.37 ID:SpDo0D5BO
『やっべぇ、近くからすごいお腹の音聞こえた笑』
えっ、と思った。まさかな、とも思った。それから少し悩んで、メッセージを返した。
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:27:57.52 ID:SpDo0D5BO
下らない言葉を交わし合う。そうしていると、コンコン、と扉がノックされた。はい、と返事をしてブースを開けば、店員さんとカツカレー。
「お待たせしました、カツカレーです。ご注文は以上で?」という言葉に頷いて、トレーを受け取る。
以下略
AAS
18
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:28:36.18 ID:SpDo0D5BO
……まさかな、と思った。
スマホを手にしてみる。呟きアプリの通知はなかった。強烈なカレーの匂いと、ほのかなカルボナーラの匂いだけが漂う。
以下略
AAS
19
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:29:21.11 ID:SpDo0D5BO
相変わらずスマホに通知はやって来ない。それは何故なのか。
真っ当に考えれば、あいつはカルボナーラを頼んで、それが届いて食べているからだ。
以下略
AAS
20
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:30:54.48 ID:SpDo0D5BO
このネットカフェにやって来てからのことを思い出す。
休日の昼下がり。そこそこの人。俺がブースに入ってから目撃した人々。
以下略
AAS
21
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:31:48.70 ID:SpDo0D5BO
だから俺は意を決した。
ネットだけの気軽な関係。いつ切れても構わないからこそ軽口を交わし合える関係――だなんて、知ったこっちゃない。
以下略
AAS
22
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:32:14.49 ID:SpDo0D5BO
『ヒント11:宮城』
23
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:33:13.86 ID:SpDo0D5BO
後は野となれ山となれ……なんて思いがないわけじゃない。でも、似た者同士の俺たちなら、きっとすぐ返信が来るという妙にはっきりとした確信があった。
相変わらずカレーの匂いとカルボナーラの匂いがする。食事にはきっと手をつけていない。
以下略
AAS
24
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:33:47.22 ID:SpDo0D5BO
『ヒント11:東仙台』
25
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/31(土) 11:34:59.84 ID:SpDo0D5BO
夢中になって、メッセージを入力する。仮想空間でそうしていたように、いくつもヒントを教え合う。
国道何号線だとか、商店街の名前だとか、お店の名前だとか、近くの駅の名前だとか、フルフラットシートだとかなんだとか。言葉を交わすたびに、核心へと近付いていく。
以下略
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