83: ◆nx90flyJCa6p[sage]
2020/10/21(水) 15:06:20.43 ID:TfgXVv+K0
P「背景はこのリボンのでいいのか」
まゆ「はい……、あら」
まゆ「プロデューサーさん、ネクタイが曲がってます。まゆが直してあげる」
P「い、いいよ、自分で直すって」
まゆ「恥ずかしがらなくていいですよ。将来的にはまゆが毎日やってあげるんだから」
P「それは、どういう意味でしょうか……」
まゆ「そのままの意味です。なんの遠慮もいりません。
なんなりと申し付けていいんですからね。
貴方のためならまゆはなんだってするんだから」
まゆ「……そうよ。あの掛け替えのない日々を取り戻すためなら、なんだって……」
P「佐久間……」
まゆ「プロデューサーさん、過去が消えることは決してありません。
プロデューサーさんがCGプロで過ごされた日々は確かに存在していたんですから」
まゆ「だから、諦めないでください。記憶は必ず戻ります」
P「……」
まゆ「ネクタイ直りましたよ。さあ、撮りましょう。ほら、笑って」
P「……ああ」
『3・2・1……』
――カシャッ
P(渋谷と同じ、この子もきっと気付いてる)
P(俺が本当に取り返したいものは別のものだということに)
P(彼女たちが知る俺の過去と、俺が知る俺の過去には明らかな齟齬がある)
P(俺の知る過去は全て765プロの記憶)
P(ありもしないCGプロの記憶を取り返すことなんてできやしない)
P(だが、それをなんて伝えればいい?
本当のことを話せば彼女たちは信じてくれるのか)
P(結果的に、俺はこの子たちを騙している)
P(プリクラに写る俺の笑顔はあまりにも不器用で、とても笑っているようには見えなかった)
……………………
………………
…………
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