153: ◆nx90flyJCa6p[sage]
2020/10/22(木) 20:51:37.50 ID:OiSWsscG0
杏「――と、思ってたんだけど、なんかよくわからなくなっちゃった」
卯月・莉嘉「へ?」
未央「わからなくなったって?」
杏「プロデューサー、どうして莉嘉ちゃんたちの部屋に行ったと思う?」
未央「そりゃ、記憶を取り戻すためでしょ」
杏「でもその割には消極的だったと思わない?
未央たちが主導で動いていたことを差し引いても、
プロデューサー自身は積極的に動こうとしなかったっていうかさ」
杏「思い出巡りだって本当なら断る理由なんてないはずじゃん。
杏たちもうすぐ夏休みなんだし、
2・3日休みがなくたって十分お釣りがくるよ」
未央「……いわれてみれば、確かに」
莉嘉「どーゆーこと? Pくん、記憶取り戻すのやめちゃったの?」
杏「そうかもしれないし、そうじゃないのかもしれない」
莉嘉「……ドッチ?」
卯月「つまり、記憶を取り戻すとは違う、別の目的があって、
プロデューサーさんは莉嘉ちゃんたちの部屋を訪れたということですか」
杏「杏はそう思った。
事務所を出る前、プロデューサーに聞かれたんだよね。
『記憶が変わる前の自分はどんな人間だったか』って」
杏「それで『記憶以外なにも変わらない』って答えたら、プロデューサー、顔真っ青」
未央「真っ青……ショックだったってこと? 変わらなかったことが? なんで?」
杏「わかんない。でもきっとそれが
莉嘉ちゃんたちの部屋に行った本当の理由なんだと思う」
杏「さっきプロデューサーがいってたじゃん、『前の自分が羨ましい』って」
杏「なんかさ、杏にはまるで、他人を羨んでるように聞こえた……」
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