2: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/10/19(月) 21:27:55.13 ID:kXnbXFlm0
「遅すぎ、もう皆終わってるんだけど」
「ほんっと役立たずだよな」
「早く戻ろうぜー」
少女「……」
少女(私は今、山菜を収穫している)
少女(私は村で唯一、彼岸花の力を引き出す事が出来ない)
少女(私には才能が無い。だから、周りの子供達からはいじめられている)
少女(ほかの子が出来る事も、私は何をするにも時間がかかる)
少女(私には何も出来ないんだ)
「もっと効率的に動けないかなあ」
「鈍間だなー」
少年「おい! 止めろバカ共!」ダッ
「少年、だってこいつがさあ」
少年「要は、早く済ませれば良いんだろ」ヒュオッ
少女(少年が彼岸花の花弁を握りしめると、辺りを突風が吹き抜けていく)
少女(風の刃で刈り取った山菜が、小さなつむじ風によって運ばれる)
少女(あっという間だ。私がのろのろやっていた事が、少年にとってはたったの数秒)
「お、おお……なんて精密な力の制御……」」
「すげぇ、やっぱ少年は格が違うよね」
「次の「花頭」はやっぱあいつで確定だよなあ」
少女「……ごめんね。いつも助けて貰って」
少年「気にすんなよ。他人はいつだって好き勝手言うもんだから」
少女(少年は私を気にかけてくれている。いつも助けてくれる)
少女(なのに、私は何もしてあげられる事が無い)
少女(ああ、私は駄目だなあ)
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