65: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:16:53.44 ID:V6x1Fopt0
お下げ髪の女の子はあたしに言った。
「これであたしは最後なんだ。
66: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:17:28.75 ID:V6x1Fopt0
あたしは何度も受けて落ちたオーディションだったと思う。
でも、別に今日が最後のチャンスという訳じゃない。
67: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:18:08.27 ID:V6x1Fopt0
「あ、あの……申し訳ないんだけども、今日はあたし帰ります」
「へ!?」
68: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:19:02.13 ID:V6x1Fopt0
困ったようにその場をキョロキョロする大森さんは、
ついにその場で座り込んで動かなくなっている
お下げ髪のあの子に声をかけた。
69: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:36:29.40 ID:V6x1Fopt0
70: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:37:28.70 ID:V6x1Fopt0
大きく、長いため息をつくと頭を抱えた。
2人の出す空気にあたしは戸惑っていた。
きっと春香さんだったらあの場面でも
71: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:38:34.40 ID:V6x1Fopt0
奈緒さんは青かった顔をだんだんと赤く、
燃えるように真っ赤な顔をあたしに向けて言った。
72: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:39:47.29 ID:V6x1Fopt0
「何してんねん! そんなん譲る必要一個もあらへんねん!!
遊びでやってんちゃうぞ!」
73: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:40:23.92 ID:V6x1Fopt0
奈緒さんが見せてくれたスマホの画面には、
あたしが譲ったアイドルがいた。
74: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:41:21.26 ID:V6x1Fopt0
「私が受けた別のオーディションでもおったわ!
ワンワン泣いて叫んで、近づいたやつに片っ端から
突っかかって言いたい放題言って、
75: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:42:11.02 ID:V6x1Fopt0
「……あたしにはまだチャンスがあるからって。
今回は譲ってやってもいいってそう思ったのか?
あるわけねえだろ!! そんな奴に!!
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