56: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:07:42.67 ID:V6x1Fopt0
「あんた何とかしてきなさいよ!」
「そう言われても、これはオーディションなんで……」
57: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:09:00.85 ID:V6x1Fopt0
あたしはこういうの、
他の現場のオーディションでも見たことがなかった。
他のアイドルと言うと我関せずというか、
58: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:09:58.05 ID:V6x1Fopt0
お下げ髪の女の子は、
帰ろうと腕を引こうとするマネージャーさんの手を叩き、
そのついでに殴る蹴る。
59: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:11:29.84 ID:V6x1Fopt0
「なによ! 合格したって言われてたの聞いたんだから!
あたしを笑いに来たの!? そうなんでしょ!
ハッ! どうせあたしはおちこぼれよ……!」
60: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:12:04.82 ID:V6x1Fopt0
「あのね、今日はたまたま落ちたんだよ。
あたしは貴方のパフォーマンスを見ていないんだけどね。
きっとすごく良かったと思うよ」
61: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:12:47.65 ID:V6x1Fopt0
あたしは……この時、どんな顔をしていたのだろう。
同情とか、この子みたいな怒りを持っていたわけでもない。
何も……。
62: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:13:16.40 ID:V6x1Fopt0
──数時間後。
63: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:15:22.06 ID:V6x1Fopt0
誰も居ないはずの事務所だったのに、
いつの間にかプロデューサーと奈緒さんが帰ってきていた。
バタバタと階段を駆け上がる音、
64: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:15:55.74 ID:V6x1Fopt0
「こんなとこで何してんねん!!
オーディション合格したんちゃうんか!!?」
「へ? ああ、うん……。断っちゃったんだ……」
65: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:16:53.44 ID:V6x1Fopt0
お下げ髪の女の子はあたしに言った。
「これであたしは最後なんだ。
66: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:17:28.75 ID:V6x1Fopt0
あたしは何度も受けて落ちたオーディションだったと思う。
でも、別に今日が最後のチャンスという訳じゃない。
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