48: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:00:34.99 ID:V6x1Fopt0
あたしが大きな声で入っても
雑談を続ける4人の審査員。
一番右の30代くらいの男性は
49: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:01:20.38 ID:V6x1Fopt0
「765プロダクションの木下ひなたです。よろしくお願いします」
50: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:01:58.46 ID:V6x1Fopt0
「あなた、出身は北海道なのね」
「へ?」
51: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:02:52.24 ID:V6x1Fopt0
大森さんはあたしの資料を見ている。
胸元にかけてある老眼鏡をして、
資料とあたしを交互に見始めた。
52: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:03:41.25 ID:V6x1Fopt0
大森さんは老眼鏡を外して真っ直ぐ鋭い目であたしに言う。
そうか……そうやって受け入れられていないのかと思っていたけど、
あたしはこのままで良かったんだ。
53: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:04:33.60 ID:V6x1Fopt0
54: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:05:51.18 ID:V6x1Fopt0
出演準備を始める頃、
スマホにプロデューサーからのラインで「急用で先に戻る」とだけあった。
そっか。
55: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:06:43.09 ID:V6x1Fopt0
ぎゅっと衣装のスカートの裾を掴み、
猫背になった彼女のマネージャーさんに
丸めた台本か何かを叩きつけた。
56: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:07:42.67 ID:V6x1Fopt0
「あんた何とかしてきなさいよ!」
「そう言われても、これはオーディションなんで……」
57: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:09:00.85 ID:V6x1Fopt0
あたしはこういうの、
他の現場のオーディションでも見たことがなかった。
他のアイドルと言うと我関せずというか、
58: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:09:58.05 ID:V6x1Fopt0
お下げ髪の女の子は、
帰ろうと腕を引こうとするマネージャーさんの手を叩き、
そのついでに殴る蹴る。
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