291: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:24:00.67 ID:V6x1Fopt0
母の声は、どこか焦っている様子で、
やっぱり何か緊急のことがあったんじゃないかと思う。
292: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:24:52.23 ID:V6x1Fopt0
二人の様子を伺うあたしを見て、
プロデューサーは口をへの字にひん曲げながら
「ふん……」とため息にも似たイライラが見える鼻息を漏らす。
293: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:25:23.72 ID:V6x1Fopt0
あたしは声が出なかった。
思考が追いつかない。
294: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:25:59.67 ID:V6x1Fopt0
何かの冗談ならそう言ってほしい。
今のあたしにはそんな冗談を受け止めるほど、
広い心を持っていない。
295: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:26:28.43 ID:V6x1Fopt0
「な、んで……今それを言うの……?」
「あんたがいつまで経っても電話も出ないし、
296: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:27:10.48 ID:V6x1Fopt0
「爺ちゃんは、どうなるの」
「だから、長くないんだってば。
297: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:28:02.61 ID:V6x1Fopt0
「あたし、明日は大事なライブなの!
これを逃したらあたしはもう、戻ってこれない!」
298: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:28:47.95 ID:V6x1Fopt0
心配事やキレたり感情が爆発すると
おっかないくらいヒステリーを起こす母の癖は変わっておらず、
矢継ぎ早に何か言ってくる。
299: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:29:19.04 ID:V6x1Fopt0
爺ちゃんには感謝してる。
でも、……だってあたしは
300: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:29:49.16 ID:V6x1Fopt0
でも、爺ちゃんは言ってた。
また、テレビで見たいって。
361Res/168.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20