284: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:18:03.68 ID:V6x1Fopt0
そういう心根が聞こえて来る気がして、耐えられない。
あたしは所恵美に背を向けて歩こうと振り返ると、
285: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:18:36.14 ID:V6x1Fopt0
今度は苛立ちや、
負の感情が乗らないように制御できた。
286: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:19:21.80 ID:V6x1Fopt0
「電話が鳴ってたっぽいんだが。ずっと。
何度も鳴ってたから緊急じゃないのか?」
287: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:20:03.29 ID:V6x1Fopt0
「明日はライブ本番なのに大丈夫なのか」
288: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:21:27.17 ID:V6x1Fopt0
そうこうしている間に、
3人が立ち往生している廊下に着信音が響く。
あたしはその音と、
289: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:22:30.12 ID:V6x1Fopt0
お婆ちゃん娘だったあたしは、
お母さんとは殆ど連絡を取ったりしない。
290: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:23:05.16 ID:V6x1Fopt0
あたしは、所恵美とプロデューサーに
背を向けて電話に出る。
291: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:24:00.67 ID:V6x1Fopt0
母の声は、どこか焦っている様子で、
やっぱり何か緊急のことがあったんじゃないかと思う。
292: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:24:52.23 ID:V6x1Fopt0
二人の様子を伺うあたしを見て、
プロデューサーは口をへの字にひん曲げながら
「ふん……」とため息にも似たイライラが見える鼻息を漏らす。
293: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:25:23.72 ID:V6x1Fopt0
あたしは声が出なかった。
思考が追いつかない。
294: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 22:25:59.67 ID:V6x1Fopt0
何かの冗談ならそう言ってほしい。
今のあたしにはそんな冗談を受け止めるほど、
広い心を持っていない。
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