204: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:17:47.88 ID:V6x1Fopt0
「あたしも、琴葉ちゃんの表現力にずっと惹かれてて……。
センターに立っていて、本当に輝いて見えるんだよね。
どういう気持ちで、踊ったり歌ったりしてるの?」
205: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:18:24.52 ID:V6x1Fopt0
少し歩いたあと、田中琴葉は静かに言った。
206: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:19:04.56 ID:V6x1Fopt0
「これはまだ秘密なんだけれど、
実はプロポーズをされていて……。
それを受けようと思うの」
207: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:19:46.48 ID:V6x1Fopt0
これが、あの真面目だった18歳の女の子が選んだ、
アイドルのゴールなんだろうか。
208: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:20:19.32 ID:V6x1Fopt0
のうのうと今まで生きていたあたしと、
この田中琴葉は違う。
209: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:20:53.12 ID:V6x1Fopt0
夜景の素敵なレストランで食事はしたのだろうか。
深夜の高速道路をドライブしたのだろうか。
210: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:21:59.77 ID:V6x1Fopt0
あたしは気がついたら足が止まっていた。
振り向いた田中琴葉に、
211: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:23:16.98 ID:V6x1Fopt0
どうやったら追いつけるんだ、
こんな、アイドルの素質しかないバケモノに。
212: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:24:13.22 ID:V6x1Fopt0
第5章 誰か助けて
213: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:26:32.84 ID:V6x1Fopt0
もう、すっかり夏になってしまった。
いくら田舎の出身だからって、エアコン無しじゃ
このコンクリートジャングルは生きていけない。
214: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 21:27:17.28 ID:V6x1Fopt0
あたしは何も考えずに、
すーっとスマホに手を伸ばし、
店長の顔をアップで写真に収める。
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