133: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:11:11.80 ID:V6x1Fopt0
足がもつれるなんてことは常にあった。
隣の人にぶつかる。転ぶ。
その度に、刺さるような視線と、気まずい空気。
年下の女の子たちに気を使われる、息苦しさ。
134: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:11:41.44 ID:V6x1Fopt0
でも、絶対に挫けなかった。
挫ける、という感情を
今度はどこかへ忘れたかのように、
135: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:12:16.50 ID:V6x1Fopt0
目標っていうのは
もう一度テレビでライブをすること。
136: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:13:13.62 ID:V6x1Fopt0
それを自分へ言い聞かせて、
レッスンに取り組む。
137: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:14:33.69 ID:V6x1Fopt0
週6で入れていたレッスンも3日まで減らして、
その合間にあたしはバイトも始めた。
138: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:15:30.47 ID:V6x1Fopt0
動画の中の人は、あたしなんかよりも
メイクのことが好きで、
一生懸命で、流行にも敏感だった。
139: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:16:19.66 ID:V6x1Fopt0
雑誌の中には、
先に羽ばたいていった
同僚だったアイドルたちが載っている。
140: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:17:10.68 ID:V6x1Fopt0
そして、その誰もが、
もうあたしの味方ではない。
141: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:18:56.63 ID:V6x1Fopt0
小さい犬達が所狭しと暴れまわり、
それを操りながら接客をしている。
142: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 20:19:51.35 ID:V6x1Fopt0
「おはよう桃山さん」
「あ、木下さんおはよう。
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