ヴィクトリカ「久城……私も、君のことが大切だ」久城一弥「ヴィクトリカ……」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/06(火) 22:52:21.68 ID:e55HzmPuO
「僕は君のことを大切に想っている。それは本当のことなんだ。でも最近、隣で寝ている君を見ていると……その」
ヴィクトリカはそれだけで理解した。
灰色狼の末裔の頭脳は伊達ではないのだ。
普段ならば、邪な煩悩を抱いた一弥をおちょくるところではあるが、ぐっと堪えた。
「どうした、久城。続きを話したまえ」
「でも、これ以上は……」
「いいから。私は君の話が聞きたい」
躊躇う久城の目を真っ直ぐ見つめて、ヴィクトリカは話の続きを促した。
「あのね、ヴィクトリカ。僕はどうしても君に嫌われたくないんだ。だから怖くて……」
「なんだ、さっき私が嫌いと口にしたことを気にしているのか? 無論、本意ではないとも。久城ならば、その程度理解していると思っていたが……わかった。はっきりと明言しよう。私が君を嫌うことなどありえないと」
思えば、ヴィクトリカは甘えていた。
献身的に尽くしてくれている久城に甘えて、彼に対しての配慮が足りなかった。
これまでの関係ではそれでもなんとか上手くいっていたが、これまで以上の関係を築くのならば、きちんと向き合う必要があった。
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