高木社長「ねぇ、キミぃ…」
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9:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:14:05.15 ID:V4s4JV6AO
「けれど…いや、だからこそ思うのだ。君は…765プロで良かったのかと…」

「はぁ…」

 無理をさせている。彼女の有能さに頼り切りになってしまっている。せめてもと、昇給や人手を増やす話を持ちかけたこともある。そこまで余裕があるわけではなかったが、彼女には身銭を切ってもバチは当たらない。そう思って声をかけると彼女はいつもこう言っていた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:15:03.53 ID:V4s4JV6AO
「思ったことはないのかい?ここよりも条件が良い場所に行きたいと…」

 アイドル事務所は他にも、いや、アイドル事務所じゃなくたって、彼女の能力ならばどこでも活躍できるだろう。きっと今よりも良い待遇で働ける。私と知り合ってしまったがために、私に情が湧いてしまったがために縛り付けてしまっているのではないか。そんな考えが浮かんだのは一度や二度ではない。



11:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:16:09.17 ID:V4s4JV6AO
「ここより良い場所ってどこですか?」

「え?そりゃぁ、961プロとか、876とか…」

「社長、それ本気で言ってます?」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:17:35.39 ID:V4s4JV6AO
「いや、君に限ったことではないのだ…アイドルの諸君も、私が見つけてきた最高の原石だ…もしかしたら、こんなコネも金も無い私でなければ、もっともっと…」

 彼女たちの実力、才能は本物だ。そんなもの誰が見てもわかる。けれど私はどうだ。業界にほんの少し長く居ただけ。日高舞が引退し、表に立つ者も裏で支える者も多く辞めていったあのアイドル冬の時代に、しぶとく生き残っただけでしかない。こんな男の事務所で無ければ…彼女たちももっと…



13:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:18:29.91 ID:V4s4JV6AO
「はぁ…そんなに言うなら聞いてくればいいじゃないですか」

「ん?どういうことだね?」

「だから!アイドルの娘たちにも聞いてみたらいいんですよ!765プロで良かったのかどうか!」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:19:23.25 ID:V4s4JV6AO
01

 変なところですぐに行動に移せる実行力は母譲りだろうか。社長室から叩き出されながら、『全員に聞くまで戻ってきたらダメですよ』と言われ、あれよあれよと言う間に鍵までかけられてしまった。



15:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:20:35.78 ID:V4s4JV6AO
「むぅ…困ったねぇ…」

 これではどちらが雇い主なのかわからない。そんなことを考えていると…

「あれ?社長?どうしたんですか?」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:21:44.75 ID:V4s4JV6AO
「いや、音無君に締め出されてしまってね…」

「えぇぇぇ!?ど、どういうことですか!?」

「いやいや、私が悪いんだ」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:22:35.88 ID:V4s4JV6AO
「時に天海君。君は…765プロに入って良かったと思えるかね?」

「はい?」

「いやだから…他のプロダクションならばよかったと…思ったことはないかい?」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:23:21.74 ID:V4s4JV6AO
「えっと…他の事務所も何も、私765プロにしか受からなかったんですけど…」

「え?」

 てへへ、と言いながら頬をぽりぽりとかく天海君は恥ずかしそうに照れている。どうして?彼女ほどの逸材が何故…
以下略 AAS



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