64:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:05:29.78 ID:V4s4JV6AO
「社長、こんなチンケなビルで満足しないでよね?いつか私が…あの時押しかけてきた小娘が、水瀬財閥だって持ってないような大きな事務所にしてあげるんだから」
彼女が押しかけてきた時は面食らったものだ。私など父親の知り合いの中でも末端の末端。向こうからすれば胡散臭い業界人でしかなかっただろう。しかし、彼女はそんな薄い縁を伝って、握りしめてここまでやってきた。その意志の強さを美しいと思った。だからこそ、彼女をうちに入れたのだ。
「最後にこれだけは言っておくわ…ありがと…」
そう言って彼女は逃げるように次の仕事に向かって行った。
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