50:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:52:47.73 ID:V4s4JV6AO
「萩原君は、いいお嫁さんになるね」
「え、えぇ!?」
「はは、ごめんごめん。今はこういうのもセクハラになるんだったね…」
51:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:53:40.85 ID:V4s4JV6AO
「君はもう十分、強くなったと思うけれど」
「わ、私なんて、まだまだダメダメですぅ…」
「いやいや、君が強くなっていることはみんなわかっているよ」
52:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:54:41.70 ID:V4s4JV6AO
「萩原君…君は…他のプロダクションならばよかったと…思ったことはないかい?」
「え?うーん…無い…と思います」
不安そうに、しかししっかりとした口調で答える彼女からは芯の強さがうかがえる。
53:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:55:29.91 ID:V4s4JV6AO
「もちろん、辛いこともありましたけど…でも、いつだってみんなが励ましてくれて…」
「ほぅ…」
「私…ダメダメだから…できないことも多くて…今まで…学校なんかじゃ『ぶりっ子』とか『あざとい』とか言われたこともあったんです…」
54:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:56:40.56 ID:V4s4JV6AO
「でも、765プロのみんなは違いました…そりゃあできないことで怒られることもあったけど、誰もバカにしたり、意地悪を言ったりしなかったから…」
そこで言葉を区切った萩原君は、大きく息を吸い込んで、続ける。
「だ、だから私!765プロで良かったです!もう一度…いいえ、例え何度アイドルを始める前のあの瞬間に戻っても、私は765プロを選ぶと思います!」
55:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:57:26.08 ID:V4s4JV6AO
「…って、ごめんなさい!私ばっかり喋って…お茶も…ぬるくなっちゃいましたね…入れなおしてきます」
「…いいや、これをいただくよ」
「え?でも、これぬるくなって…」
56:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:58:16.35 ID:V4s4JV6AO
「うむ!美味しい!ありがとう、萩原君!」
「いえいえ、私の方こそありがとうございます」
お茶のお礼をするのはこちらなのだが、またしても逆にお礼を言われてしまった。何に対するありがとうなのかを聞こうとしたが、それを聞く前に萩原君は私の湯呑みを片付けるために給湯室に下がってしまった。
57:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:59:03.34 ID:V4s4JV6AO
06
「ただいま!スーパーアイドル伊織ちゃんのお帰りよ!」
「おぉ、水瀬君。おはよう」
58:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 20:59:47.41 ID:V4s4JV6AO
「あぁ、萩原君から玉露をいただいていてね…」
「ふぅん、まっ、私はオレンジジュース派だけど…」
そう言って彼女は冷蔵庫から、愛飲している果汁100%のオレンジジュースを取り出す。普段ならば、こんな少しの距離でさえプロデューサーの彼に取りに行かせる彼女だが、私と二人の時には自分で取りに行く。あれは彼に対する一種の愛情表現なのだろう。
59:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:00:47.55 ID:V4s4JV6AO
「それに現場を離れて久しい身としては、こうしてアイドル諸君と交流を持つことで、初心を思い出しているのだよ」
「ふぅん…」
私の話を水瀬君は、オレンジジュースのストローをいじりながら興味なさげに聞く。おっと、初心を思い出すと言った側からアイドルに気を使わせてしまったか。
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