僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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43:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 21:05:37.03 ID:ZPljtdP8O
「もうやめろ、姉弟子。勝負はついた」
「ぐっ……わ、私はまだ、戦えるッ!!」

形勢は終始一方的であった。
技と身のこなしでは上であっても、一撃の重みが違い過ぎた。
全身がバラバラに砕け散りそうになるほどの衝撃を全て受け流すことは不可能だった。

白の剣士は倒れなかった。
もはや意識は朦朧としていても。
項垂れることすらないその姿勢は、まさに。

不 撓 不 屈。

「お前と犬のおかげで僕は強くなった」
「黙れッ……魔法頼りの、半人前が!」
「僕と犬は、1人と1匹で一人前だ」

一人前? 一騎当千……否、当万の間違いだ。

「だけど、技はまだ僕よりお前の方が上だ」

当たり前だ。私はずっと、姉を追ってきた。

「犬が拗ねるからパートナーは無理だけど、姉弟子として、これからも指導して欲しい」
「生意気なことを……」

何を今更。そんなこと、頼まれなくたって。

「ありがとう。姉弟子のおかげで僕はもっともっと強くなれる。いや、なってみせる!」

なって見せろ。私が辿り着けないその果て。

「果ての景色を……楽しみにしているぞ」

倒れる。寸前で、妹弟子に抱き留められた。

「ようやく……一本。僕たちの、勝ちだ!」

少女と飼い犬の戦いは今始まったばかりだ。
しかしようやく、先へ進む糸口を見出した。
果たしてその先に待つのは栄光かそれとも。

「天下無敵なのはいいけど、このお尻のムズムズだけはどうにかしてよ……犬のえっち」

ひとまずは犬の性癖を矯正するのが先決だ。


【剣と魔法と犬と僕】


FIN


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