【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話
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◆7m3grp2dM2
[saga]
2020/09/23(水) 22:32:28.44 ID:U+Q+rPvTo
選択:3
パンを一切れ口に運びながら、チラリと隣に目を向ける。
私の事を意に介す様子はなく、周囲へと気を配っている。
その涼しい顔つきは、どこか冷たくも思ってしまう。
アイリス「パン、本当に要らない?」
エルクラッド「はい、不要です。お気遣いなさらず」
アイリス「…会ったばかりのころは、私からパンを奪ってじいやに怒られてたよね」
エルクラッド「む、昔の話です」
私の言葉に表情を崩し、取り繕うように咳払いをする。
そう言う人間らしい仕草さえ、昔の事を思い出すとなんだかおかしく思えてしまい、思わず笑ってしまう。
エルクラッド「忘れてください。あの頃はオレの汚点です」
アイリス「そうなの?」
エルクラッド「あの頃のオレは、躾けのなっていない獣と同じでしたから。どうぞ、野良犬の相手をしていたとでも思っていてください」
エルクラッド「今の俺は、お嬢様の執事ですから。……至らぬ点も多いかと思いますが」
そう言ったエルクラッドは、どこか遠くを見ていた。
エルクラッドは昔と比べて随分と変わった。
確かに本人の言っている通り、昔の彼は野良犬と大差ない振る舞いだったと言っても過言ではない。
言葉も殆ど分からないし、粗野で野蛮で、肉を生で食べてたりしてた。
そんな彼の事を怖いと思うところは確かにあったけど、外でじいやと三人で森で遊んでいたことは今でも思い出せる。
今のエルクラッドに昔の面影は殆どない。
そんな彼の事を……
1−3 少し恐ろしく思う
4−6 これでいいんだと納得する
7−9 少し寂しく思う
0 ???
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