【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話
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173: ◆7m3grp2dM2[saga]
2020/09/21(月) 22:49:56.39 ID:TuWYvT/zo

選択:2 音について



「はい?音について、ですか?」
「音についての魔法はあそこの棚に……そうじゃない?ああ、またですか」
「ええ、その質問は今日で二度目です。事件の事そのものではなく、事件があった日の音について知りたい人が居るなんて、変わった偶然もあったものですね」
「まず先に、越境術の事故についてですが、これについてはかなりの事例が確認されています。その事故の中には死亡事故も含まれます」
「越境術の成功例にも失敗例にも、その際に耳を劈く様な強烈な破裂音があったという話は聞いたことがありません」
「未知の事故という可能性もありますけどね」
「あの事件現場から、音が聞こえたという屋敷までの距離、事件現場の密室性まで考慮に入れると相当大きな音であったと予想できますね」
「事件当初その屋敷に住んでいた住人も、みな一様に同じ音を聞いたと証言していますね。なので、その事件現場で大きな音がしたというのは間違いないでしょうね」
「残念ながら、音の原因までは私もまだ聞き及んでいません」

「え?何故そんなにも詳しいのですかって?司書特権です」
「同じ質問をしてきた生徒にも渡しましたが、貴女も欲しいですか?」
「ハイ、ではどうぞ。どうせこれはただの新聞の記事。図書館外への持ち出しもご自由に」


そうして、アイリスは奇妙な物音がしたという証言が載った新聞記事の切り抜きを手に入れた。
新聞には、越境術が原因だと書かれている。
とはいえ、司書は原因はまだ分かっていないと言っていた。
アイリスは、証言以外の部分はまだ話半分に覚えておこうと心に決めた。


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