【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話
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131: ◆7m3grp2dM2[saga]
2020/09/19(土) 01:19:23.07 ID:aoPaMhm/o

アイリス「えと…そう!私はこれから学校に行かないと!ち、遅刻しちゃうから!」
エレノア「あらそう。貴女がそんな模範的な生徒だとは知らなかったわ」
アイリス「え、えへへ…だから私はこれで。い、行こうエルグラッド」

そう言いながら席を立とうとするお嬢様。
そんな彼女の肩を、エレノアはまあまあと押さえつけながら椅子に座り直させる。

エレノア「いい。これは何も道楽に付き合わせようってわけじゃないの。とっても大切なことなのよ」
アイリス「え、でもさっき面白そうだからって――」
エレノア「アイリス。貴女もこのストレーン家の端切れとはいえ、由緒正しき支配者の血を引くものでしょう?」
エレノア「将来の事を思えば、ここで一つ功を立てておきたいとは思わない?」

ブンブンとアイリスは全力で首を横に振る。
エレノアはそんな彼女の頬を両手でがしりと掴むと、無理やり頭を縦に振らせる。

エレノア「う〜ん、いい子ねアイリス。そうよね、貴女は実家に居ると教育係が煩いからって私の家に逃げ込んできたんだもの」
エレノア「それから毎日別に真面目に勉学に励むわけでもなく、私のお金を使って食っては寝るだけの生活をしていたなんて、罪悪感があってもかしくないわ」
エレノア「いつかはそんな貴女を養ってあげている、お優しいお姉さまの役に立ちたいと考えていてくれたのよね?」
アイリス「お姉ちゃんの仕事って全部秘書さんが……」
エレノア「私の役に立ちたいわよね?」

選択の権利など無いと悟ったアイリスは、渋々と頷いた。



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