61: ◆vmfmKqFvN2[saga]
2020/09/15(火) 22:28:47.20 ID:ZlucngcM0
折り紙が少しずつ湿っていく。
じわじわゆっくりと。
タリア「これはどう?」
マリア「驚いた。術式とはいえ、まさか二つの属性をあっさりと使えるなんて…」
タリア「? マリア母さん?」
マリア「しかも水属性も得意じゃなさそう。タリアの得意属性は何かしら…」
マリア「貴女は天才だわ。魔力の素質は充分にある。確信した」
何故かいきなり褒められた。
マリア「……タリア、少し血液を採らせてくれる?」
タリア「え?」
マリア「ごめんなさい。研究魂が燃えてきたの。」
グスタフ「何を言ってるんだマリア。タリアは研究対象にしないと決めただろう」
素振りを終えた父さんが戻ってきた。
マリア「そ、そうね。そうだったわ。多属性使いは希少だから興奮しちゃって」
グスタフ「なに!? 多属性!? すごいぞタリア!!」
マリア「でしょー!!」
タリア「えと、どういうことか教えて…」
二人はとてもはしゃいで僕の話を聞いていない。
でもなんとなく察しはつく。どうやら僕は魔法使いとして希少な存在ということだ。
入学式まで残り6日。
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