29: ◆vmfmKqFvN2[saga]
2020/09/15(火) 01:46:56.83 ID:ZlucngcM0
―― 日本 某病院 ――
僕の人生がそろそろ終わる。
ここに運び込まれてすぐに思ったことだ。
それでも数年は病院で過ごせた。
とても退屈な数年。早く自由に遊びたい。はしゃいでいる子供の声は聞きたくない。
初めの頃は数少ない友人が来てくれた。今はもう来る気配すらない。
親は仕事で来ない。来たとしてもほんの数十分しかいない。
話し相手がいない。僕はますます塞ぎこんだ。
そしてやってきた手術の日。
僕は医師の打つ睡眠薬に身を任せて意識を手放した……。
―― ??? ――
身体が、軽い。嘘のように軽い。
こんなに軽いと自分が自分じゃないみたいだ。
「元気な女の子ですよ、よかったですね」
この口調からすると出産が成功したらしい。
? でもなんで僕は出産の現場にいるんだ?
目を開こうにも瞼が重い。しょうがない。僕の手術はどうなったのか聞いてみよう。
「おぎゃぁ、おぎゃぁ」
……。
「おぎゃぁ、おぎゃぁ」
「とても元気が良い女の子ですね」
……僕、宮前秋人16歳。何故か赤ん坊の声を発しています。
そしてさらに女の子になっていました。意味が分からない。
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